水のコラム
お風呂2日目の残り湯の臭いが気になる?残り湯は衛生的に大丈夫?
お風呂の水を毎日取り換えると下水道代が高くなるので、風呂水は2日目も利用している家庭って、意外に多く存在しています。
ただ、気になるのがやはり臭い。二日目の残り湯での入浴は、臭いが鼻に付きます。臭いだけならまだしも、身体に悪影響はないのでしょうか。
そこでこの記事では、2日目の臭いの影響について、詳しく解説します。
2日目の残り湯の臭いの原因
2日目の残り湯が臭う原因は、ズバリ細菌によるものです。それはそのはずで、お風呂は身体の汚れを落とすところです。なので、言い換えれば菌の温床でもあります。
バスタブの中で身体に付着した汚れが浮く
バスタブに入る前にかけ湯をして入っても、湯船の中で温められた身体から垢が浮き上がってきます。
ですから、湯船の中でサッと身体を撫でただけで、かなりの垢が身体から離れていきます。離れた垢は、湯船の中に留まりその垢が原因で、菌が繁殖してしまうのです。
残り湯の細菌は一晩で約1,000倍に増殖する
残り湯に繁殖した細菌は、一晩放置することで約1,000倍に増えてしまいます。
つまり、細菌が少ないときには臭わなかったものが、数千倍に増殖したことで残り湯から臭いを発することとなってしまうのです。
家族が多いとそれだけ細菌は多く臭いもきつくなる
2人家族などでは2日目の残り湯での臭いはわずかでも、4~5人の家族になるとその分細菌は多くなり、当然ながら臭いもきつくなってきます。
また、追い炊きした際の残り湯の湯気にも、多少の細菌が混じってしまうので、余計臭いをきつく感じてしまうでしょう。
残り湯は衛生的に大丈夫?
ハッキリ言って、残り湯は衛生的によくありません。その理由は先に解説している細菌が多く存在しているからです。
怖がらす訳ではありませんが、残り湯をそのまま使っていると、最悪のケースでは死亡に至るかもしれません。
昔に流行った24時間風呂は衛生的な問題が発生
一昔前に、「24時間風呂」と銘打って、たくさんのメーカーが販売競争をしていました。これは、「風呂水を代えることなく、ずっと使い続けることができる!」ことで有名になりましたが、レジオネラ菌が大量発生することが分かったのです。
この大量発生したレジオネラ菌によって、死亡者も出てしまいました。結果的に、残り湯を浄化して循環させることはできないとのことで、ほとんどのメーカーが販売を取りやめています。
衛生微生物研究センターも勧告している
衛生微生物研究センターからも、「残り湯を放置すれば細菌に大量増殖の場を与えることになり、衛生的とはいい難いため、風呂水はできるだけその日のうちに利用し、ため置かないようにしたいものです。」と勧告しています。
それだけ残り湯は、菌の繁殖力が強いということですね。
風呂水中の細菌数
衛生微生物研究センターによれば、風呂水の中の細菌の数は次のように変化すると公表されています。細菌数は、1mL当たりの細菌の個数で、培養検査によって算出されています。
・入浴人数:2名 入浴前の細菌数:40 入浴後の細菌数:110 一晩放置後の細菌数:250,000
・入浴人数:3名 入浴前の細菌数:40 入浴後の細菌数:360 一晩放置後の細菌数:290,000
・入浴人数:5名 入浴前の細菌数:80 入浴後の細菌数:2,700 一晩放置後の細菌数:1,200,000
この数字を見ると、残り湯は健康には決してよいとは言えないことが分かりますね。
残り湯2日目の臭い対策
風呂の残り湯はできるだけ再利用しない方が、身体のためにはよいことは分かっていても、水道代を考えるとやはり2日は利用したい。そのような想いを持っている方は、大勢います。
では、残り湯になるべき菌を繁殖させないためには、どうすればよいのでしょうか?
できるだけ菌を抑える工夫が必要
まず家族一人一人が行う対策としては、バスタブ内で菌を繁殖させないようにすることです。
例えば、バスタブに浸かる前にシャワーにて頭や身体をしっかり洗うことで、バスタブ内での垢や老廃物の排出を減らすことができます。家族全員が行えば、かなり効果があるはずです。
残り湯に除菌剤を使用する
残り湯に発生している菌を殺してしまえば、臭いもなくなります。除菌剤が各メーカーから販売されているので、この除菌剤を利用する方法もあります。
定期的に風呂釜も除菌する
残り湯を使う生活を続けていると、風呂釜の中にも菌がはびこってしまいます。
残り湯を除菌剤で除菌しても、風呂釜に菌が残っていれば追い炊きの際に、菌が残り湯の中に多く存在することになってしまいます。ですから、風呂釜も定期的に除菌、洗浄することをおすすめします。
まとめ
2日目の残り湯からの嫌な臭いの原因は、細菌によるものだと分かりました。ですから、臭いを取り除くには除菌すればよいのです。最近では、さまざまな除菌材が発売されているので、好みの除菌剤を利用するとよいでしょう。ですが、健康面でいうならば除菌剤よりも、毎日風呂の水を交換する方がよいです。どうしても、もったいないと感じる方は、まずは菌を減らすお風呂の入り方を試してみてはいかがでしょう。
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