水のコラム
キッチンの高さと使いやすさの関係とは?リフォームについても解説
長時間立ちっぱなしになることも多いキッチン。キッチンは、高くても低くても腰に負担がかかります。使いやすい高さのキッチンには、どんな基準があるのでしょうか。
この記事では、高さの合わないキッチンを使うことで体にどんな負担があるか、高さ変更する際のリフォーム費用などを取り上げます。キッチン選びの参考にしてください。
高さの合わないキッチンは体に悪い?気を付けるポイント
高さの合わないキッチンを使い続けていると、体に負担が生じます。具体的にどんな点に気を付ければ良いのでしょうか。まず、腰痛や肩こりなどの症状が出るときは注意が必要です。
たとえば、高さの低いキッチンで作業する場合、ずっと腰を曲げた状態をキープしなければなりません。頭も下に向ける必要があるので、首にも負担がかかり肩こりや首の損傷にも繋がります。キッチンに立った後に腰痛や肩こりが生じる人は、キッチンの高さが合っていない可能性があるでしょう。
また、固いものを切る際に力が入れにくい時は注意してください。通常、固いものを切る時は上から力を加えて切ります。しかし、キッチンが高い場合には、上からの圧をかけにくくなるでしょう。余分な力が入って、怪我してしまうかもしれません。
さらに、水はねで衣服が濡れる時はキッチンが低い証拠です。キッチンのシンクが低いと、洗い物の際に水はねしやすく、お腹部分や袖部分が濡れてしまうといったことが生じます。これらのことが生じる場合、キッチンの高さが合っていないと言えるでしょう。
キッチンの高さに標準はある?適正な高さをとは
キッチンの高さをコントロールするカギとなるのは身長。自分の身長に合ったキッチンの高さは、「身長(cm)÷2+5cm」という数式で知ることが可能です。
また、キッチンの高さというのは日本工業規格によって、5cmごとに定められています。この規格に合わせてキッチンを選ぶと身長155cmの人は高さ80cm、身長160の人は高さ85cm、身長160cm以上の人は高さ90cmです。
この数式に身長を当てはめて、自分に合ったキッチンの高さを選ぶようにしてください。しかし、これはあくまでも目安となる高さです。身長が同じでも、人それぞれ手の長さや体型は異なります。そのため、必ずしもこの計算で出た高さがピッタリというわけではありません。数式通りの高さにしたからといって、いざ使ってみると低く感じてしまうことも。これは、身長の計算式に肘の高さ含まれていないことが原因です。包丁で食材を切ったり、シンクで食器を洗ったりと何かと使う肘。肘を起点に腕の上げ下げもしているのではないでしょうか。キッチンの高さは、肘よりも10〜15cmほど高ければ良いとされています。その点もチェックしておきましょう。また、実際に使っているキッチンを参考に決めるのもおすすめです。「あと3cm高かったら」と思うことがあるかもしれません。その高さを参考にしてキッチンを決めることもできるでしょう。
キッチンの高さ変更にかかるリフォーム費用
キッチンの高さ変更にかかるリフォーム費用の相場価格は、約12〜22万円ほど。新しくキッチンをリフォームするのに比べると費用がかなり抑えられます。キッチンの高さが合わない人は検討してみてはいかがでしょうか。しかし、キッチンの高さを変更するリフォームと言っても、ワンパータンではありません。まず、シンク周りの高さを調整するリフォームがあります。調理場より低いキッチンの洗い場。平均的に約17〜20cmの深さがあります。キッチンの水回り部分の高さを調整したい場合は、シンクのみを取り替え工事することも可能です。幅100cm以内のステンレスシンクの場合は約5〜8万円、幅100cm以上のステンレス真紅の場合は約13万円のリフォーム料金がかかります。高い台を使って腰の痛みを感じる人は、浅いシンクへリフォームすることなら作業しやすくなること間違いありません。キッチン全体のリフォームより工事費用や期間も抑えられるので、シンクだけでも使いやすくしたいという人にはおすすめです。
シンクを浅くしすぎると、水はねを招いてしまうことも。交換する前に、シンクの前に立ってシンクの底に指が届くかチェックしてみましょう。また、シンクのみの取り替え工事ができないキッチンもあります。たとえば、シンクとカウンターが1枚の天板で作られているシステムキッチンは、シンクのみの交換ができません。リフォーム前に、キッチンの構造を確かめておきましょう。次に、コンロ周りの高さを調整するリフォームもあります。コンロが高くて調理しづらいと感じる人には、コンロ周辺のみ変えると良いでしょう。
ガスコンロの位置が高いままの状態で使っていると、肩や腕に負担をかけてしまいます。ガスコンロをIHにリフォームするなら、コンロ周りの高さの調節が可能です。鍋振りや鍋の移動もスムーズになり、調理がグッとラクになるでしょう。ガスコンロからIHヒーターにリフォームする場合、約9〜25万円ほど。IHのメーカーにもよりますが、シンク周りを調整するリフォームと同じく、キッチン全体をリフォームするよりも費用や期間を抑えることが可能です。IHにリフォームする際、注意したいのが電源です。IHヒーターには200Vの電源が必要ですが、多くの家庭には200Vの電源がありません。
つまり、ガスコンロからIHヒーターに交換するだけでなく、電源設置工事が必要だということ。特にマンションの場合、マンション全体の電気供給量というものは元々定められています。IHヒーターが設置できない可能性もあるので、事前に管理会社に問い合わせしてみましょう。加えて、キッチンのかさ上げをする場合には水道管や排水管、ガス管の延長が伴うことも考えられます。
この場合、別途工事費が必要です。かさ上げ素材が既存のシステムキッチンとは違って、見映えが悪くなることも。どんな素材や塗料を使うのか、どのような仕上がりになるか事前にリフォーム業者に尋ねておきましょう。
キッチンの高さを変更する時に確認しておきたいポイント
キッチンの高さを変更するときには確認しておきたいポイントが幾つかあります。
まず、「誰がメインでキッチンを使うのか」ということです。キッチンスペースすべてが、家族みんなにとって使いやすい高さであることは稀です。特に、二世帯住宅のようにキッチンで作業する人が複数いる場合は、高さに10cほどの差が出ることもあります。そのため、キッチンの高さを誰に合わせるかは非常に重要です。
同居人が作業しづらい場合は、キッチンマットやスリッパ、踏み台を使ってキッチンの高さを調整するようにしてください。キッチンの高さに合わせてリフォームできないかを業者に相談することもできます。さらに、レンジフードと火元の距離は、法律で固く定められています。リフォーム業者が把握していることではありますが、自分でも念のため、コンロの火元とレンジフードの距離が近くなりすぎないかをチェックしてください。後悔しない設定にするためにも、念入りにチェックすることをおすすめします。
料理している際に腰や首が痛くなることがあるでしょうか。そのような場合、キッチンの高さが合わないのかもしれません。まずは、「身長(cm)÷2+5cm」という数式に合わせて計算してみましょう。また、キッチンには調理台やシンク、コンロなどのパーツごとで、どれほどの高さが必要なのかを考えてください。シンク周りの高さを調整するリフォームはキッチン全体のリフォームより安く済みます。高さ調節することで、体にかかる負担を少なくできるかもしれません。家族で一度話し合ってみるのはいかがでしょうか。
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